25歳の時、僕は旅に出た②

25歳の時、僕は旅に出た②

日本一小さい店

ここは温泉があり疲れた体を休めるのにちょうど良かった。ベッドに入って数分で眠りについた。

だがしかし、夢を見た。その時の夢はいまだに覚えている。母親が笑って見送っている姿と必死に走る自分を上から眺めているような夢だった。少し涙が出そうになった。なぜか今まで思ったことのない感情が湧いてきた。普段母親の事なんて考えることなんてない。今の自分が苦しいからか、今まで当たり前に過ごしてきた事がどれだけ楽だったか、ずっと甘えて生きてきたんだなとしみじみ思った。

12月24日朝!5時くらいに目が覚めた。起きるとびっくりするぐらい体が軽くなりすぐに自転車にまたがりチャリを漕いだ。空が夜の姿から昼の姿に変わる光景を見ながらチャリを漕ぐ。行き交う車は少し忙しそうにスピードを出す。そうか、みんなは急いで仕事場に向かっているのか。今までの自分もきっとこんな感じで周りに忙しさを押し付けていたのかもしれない。毎日時間との戦いで次々と仕事をこなしていかないといけない。それをまた人に押し付ける、少し反省した。同じ場所で代わり映えない毎日を過ごしているとそんな些細な事に気付きもしない。そこでは同じ事をするという事が当たり前過ぎて、他のやり方や生き方というのを考える事なんてない。その当たり前から抜け出す事、全てから解放されると今まで思いもしなかった事を考えるようになる。これは仕事を辞めて助けてくれる人もなく1人で旅に出ないとわからなかったことだった。

岡山の道は上り下りわあるがさほど苦ではなかった。今までと変わらずただひたすら山と山の間をチャリで走り続けるだけだった。と思った瞬間、目の前に現れたのが「日本一小さい店」という建物。面白かったのは岡山には、日本一があるというのだ。それがこちら、

日本一小さい店

日本一小さい店!確かに小さい。店という文字が若干小さいのがそれを物語っているのか!桃太郎もビックリ、この箱みたいな建物?がお店か!

お店は店員さんはおらず、お金を置いて野菜を勝手に持っていく式というお店だ。なるほど、いやまてよ、このタイプのお店は田舎にはわりとあるぞ!田舎というのは本当に何もないから、小さなことでも話題にしたがるのだ。山口の田舎も同じだ、、、という感情を押し殺し、日本一小さい店の記念撮影をしてチャリを漕ぎ出した。

兵庫県に突入

ずーと続く2号線をずーと走る。この直線の先で辞めようかな、あのカーブを曲がったら辞めようかな?この時既にずっとこの事しか考えてなかった。よくよく考えたら自分が勝手にチャリで行くって言ったんだから別に辞めても誰からも責められることはない。時々来るこの感情だけは乗り越えるのに必死だった。別に続ける理由は無いけどなんか途中で止めるのが嫌だった。

そんな時、二度目のパンクだ。またチャリを投げ飛ばした!次はパンクの治す道具を持っているので自分で修理した。手は脂もぶれで黒く汚い。また走るのが嫌になってきた。今回は1時間くらいその場でジッと空を眺めていた。普通に仕事していた方が楽だったかな、という気持ちが押し寄せてきた。その瞬間ウワァーと雄叫びを上げてチャリを立て無理矢理漕ぎ出した。寒さのせいか風のせいか少し涙が出てきた。あと少しあと少しと気持ちを落ち着かせ必死に漕いだ!

自転車で兵庫県

やっと兵庫県に突入!兵庫県の看板は山の天辺あたりにあった。兵庫県といえば神戸みたいな華やかな街を想像していただけにこんな山だらけだとは思いもしなかった。挙句の果てに、兵庫県に突入する看板があるのがめちゃくちゃ山奥でその山の頂上付近なのだ!疲れ果てているため写真だけ撮ってまた走り続けた。山を下るとまたパンクをした。もうイライラなんてしなくなっていた。3日前くらいに新品の状態だったチャリも、今では少し傷つき疲れているようだった。そんなチャリを見て、よく頑張ったなと声をかけた。チャリも僕もわりと限界が近づいていた。

山口~大阪、500km旅終了

自転車旅を始めたのはたった3日前だったのに、なぜかすごい前のことのように思えてきた。辛いことばっかりだったけど、思い返すと懐かしく思えてきて楽しかったなと思えた。環境を変えず同じ毎日を送っていたら絶対に味わえない気持ちがある。当たり前の日常から抜け出すとこんなにも面白い世界が待っている。たぶん他の人からするとバカだと思えることでも、僕の中でははっきりと世界が変わったのがわかる!この旅をしたおかげで、その後の人生が大きく変わったのは間違いない。そのお話もいつか書こう。

駐輪場の自転車

24日15時33分、僕は兵庫県相生市の山奥の小さな駅の駐輪場にチャリを止めて、ロック解除の鍵を挿したまま電車に乗った。(不法投棄になるので今はやめた方がいい)

一緒に頑張ってきた相棒!その自転車を乗り捨ててしまった。本当に心苦しかった…あんなに苦しい思いを共にした自転車を捨てるのにすごい時間がかかった。でももう限界だ。三日間本当にありがとう!俺は先に行く!

誰も乗っていない止まったままの自転車を、電車の車窓から眺めながら大阪を目指した。自転車旅を断念したのにはもう一つ理由がある。

そう、今日はクリスマスイブなのだ!笑

夜中に一人で山道を走りながらクリスマスを迎えるのが嫌だったのだ!彼女はいないけど、せめてクリスマス気分だけでも味わいたかったのです!新幹線で大阪に着いた僕は、弟に電話して迎えにきてもらい男二人でクリスマスを過ごしたのでした。

きっとこの話を読んでくれていた人は、大阪までの自転車旅完走!というのを期待していたかもしれない。本当にごめんなさい。でもこれが僕の人生初めての大冒険なのです。みなさんはこんな中途半端な旅をしたいとは思わないかもしれませんが、思った通りに行かないのが人生であり旅であります。すべて計画通りにいくとは限りません。計画通りにいかないのもまた面白いし、その先の人生のネタにもなります!すべて上手くいくようなキレイな話にはならなかったけど、中途半端な人生だと言われるかもしれないけど、これが僕の旅です。まだまだ人生の旅は始まったばかり。大阪での生活、横浜での生活、長野まで行った旅の話、まだまだたくさんの旅をしてきた。この大阪自転車旅は、人生の初めの一部分。またいろいろな経験を綴っていこうと思います。

山口~大阪自転車旅、終わり〜

 

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